タスペーサーとは?
皆さん「タスペーサー」って聞いたことありますか?
今まさにこれから外壁屋根塗装を検討中という方や、すでに業者からの見積もりが出ている方は
ご存じかもしれません。
タスペーサーとは、これです。
一見すると野球のホームベースのような形をした、プラスチックの部品です。
何のために使うのかというと、従来していた「縁切り」とい作業を効率化するためにできた部材なのです。
「縁切り」とはスレート屋根を塗装する際に、本来離れていなければならない屋根材を一枚一枚カッターナイフなどを使って
切っていく作業の事を言います。
しかし、縁切りはカッターナイフを使うので、綺麗に塗装した後で屋根に傷をつけてしまう可能性もあるので
現在は縁切りよりもタスペーサーを使った工法を推奨している塗装屋さんが多いのかなと実感しております。
いずれにしても簡単に言うと、屋根と屋根の間に隙間を作る作業です。
なぜ隙間を作らなければいけないのか??
これはとてもいい質問です。
屋根に隙間がないと、雨水などの水分が排出される出口がなくなります。
なくなると、その水分はどこへ行くのかというと「毛細管現象」といって
上へ上へと昇っていき、屋根材を止めてある釘などの隙間から野地板へと水分が伝い
ゆくゆくは板を腐らせて雨漏りへと進行していきます。
なので、雨水の排出口を作る作業はとても大切なのです。
では「タスペーサー」はどの様に使うのか、というと
とても簡単です。
まず、下塗りして乾燥した後に先ほどのホームベース型のタスペーサーを
屋根材と屋根材の間に挿入していくのです。
そうするとタスペーサーの厚みにより、隙間が生じます。
これを一枚の屋根材につきおおよそ2枚のタスペーサーを挿入していきます。
これを「ダブル工法」といい最もメジャーな施工方法です。
しかし、タスペーサーが必要のない場合もあります。
これは、屋根にすでに4mm以上の隙間がある場合。
これだけの隙間があると、タスペーサー自体も固定されずに落っこちてしまいます。
屋根材は劣化が進むと次第に反りが出て、このように隙間ができるので
その際は、屋根の状態を見ながら、職人が判断して、挿入していきます。
タスペーサーをきちんと使用する業者かどうかは
まず、見積に来た際に聞いてみましょう。
弊社では、スレート屋根の場合はタスペーサーの使用は標準施工のため
敢えて見積書には記載していません。
(中には、屋根の状態により使用しなくてもいいケースがあるので、お見積りには計上していません)
ですので、これはタスペーサーに限った話ではありませんが、
一つ一つの項目や作業になぜそれが必要なのかをきちんと説明してくれる業者が
信頼できる条件の一つではないかと思います。